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税理士の種類

実はあまり知られていないのが、税理士制度の仕組みです。
税理士登録できる種類は大きく分けると以下の通りです。私は「1」の税理士試験合格者です。「1」の税理士は全体の半数です。

  1. 税理士試験合格者で2年以上の実務経験者

  2. 弁護士・公認会計士の税理士登録

  3. 23年以上税務署に勤務し指定研修(形式の研修のようですが・・・)を受けた国税従事者
    (いわゆる税務署OB)

  4. 大学院卒業者で試験免除(税理士法改正で若干厳しくなりました。)

税理士登録者数は全国で平成27年4月現在で約74,873人、税理士法人は3,009社(日本税理士会連合会が発行する税理士界抜粋) 年間官報試験合格者は、わずか1,000人程度(令和5年の官報合格者は600人)。参考までに税理士試験合格者は国税庁の発表によると、平成24年1,104名、平成23年1094名、平成22年999名となっております。合格者数から計算すると登録人数があわないとお気づきのお客さまも多いかと思いますが、実は税務署OBや大学院等による試験免除者の税理士登録が全体の4割以上を占めているという異常事態となっています。
そして税理士の半数近くが60-70歳代というのが現状です。
本来は、国家資格の中でも弁護士資格などに並ぶ狭き門なのです。

ちなみに、税理士の試験科目は全11科目で、簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、事業税、住民税、固定資産税です。このうち必修2科目、選択必修1科目、選択科目2科目の合計5科目合格により試験合格となります。

驚かれたお客さまもいらっしゃるかと思いますが、税理士試験合格者で登録している若い税理士は全体の割合からすると非常に少ないのが実はこの業界の現状です。平成26年度末現在の現況によりますと試験合格者34,321人(全体の45.67%)、公認会計士・弁護士による登録9,272人(全体の12.34%)試験免除・特別試験合格者等31,553人(41.99%)となっています。税理士試験があまりにも難関であるため、合格率が緩くなった公認会計士試験に逃げたり(公認会計士は本来、企業の監査をする業務で税務申告が本来の仕事ではありませんし、その証拠に試験科目に原則として税法がありません。)、大学院に資金を積んで試験免除を受ける人が多く、試験の合格者が半分にも満たないのが現状です。

お客さまが、税理士についてどの制度を通じて登録したのか知る権利があると思うのですが、現状は直接本人に聞いてみるしか方法はございません。

どの制度で登録した税理士かによって得意分野も異なります。以前はいろいろ裏事情もあり、税務署OBが税務調査に融通を利かせられる時代もあったようですが(それも問題ですけど)、現在は倫理規定が厳しくなり効果もなくなったようです。むしろ元税務署職員が税務調査に強いというわけではなくなってきました。税務署出身の税理士は、税務署側の判断しかできず、お客様からもよく苦情をいただくこともございます。なかなか経営者側に立って税務以外のサービスを提供できないのが実情のようです。

最近では、元税務署職員出身の税理士による巨額脱税事件もあります。私たちの業界では考えられないのですが、元札幌国税局長の巨額脱税事件(もちろん億単位です、税務調査立会料で1,000万円以上請求できるとか・・・すごい話です。考えられません。)や大阪の税理士法人ナイスアシストの巨額脱税事件(税務署で懲戒免職されたのに税理士登録ができたそうで、税理士になった後もお客さまの売上金を預かり脱税指南、あきれるのはその資金を使ってさらに融資して利息を稼いでいたとか・・・もうあきれてものも言えません。)などがあります。税理士資格を楽してとれるからこんなとも簡単にできるのでしょう。お客さまも不幸です。

成長したいお客さま、経営のベストパートナーをお探しのお客さま、元公務員が悪いとは言いません、試験の免除を受けた人が悪いとは言いません。ただ、経営者のすべてを預からせていただく職業であるのにもかかわらず、税務調査に強いと語り契約を迫る社会での経営経験のない元税務署職員や、そもそも国家試験を合格するための努力もせず、経営感覚のない税理士をパートナーにしてよろしいのでしょうか。ぜひ税理士事務所をお決めいただく際、このような情報を選択基準の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

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